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相続税法を受験される方へ~追加版~ [相続税法]

以前、「相続税法を受験される方へ」と題して、前編後編に渡って私の学習方法などを紹介しましたが、発表前の不合格の可能性もあった状況であったため、お伝えしなかったことがありました。

あの記事を尻切れトンボで終わらせたくないので、ここでその部分を2つ書き足そうと思います。

1.答案は試験委員に対するプレゼン

これは専門学校などで良く指導していることで、試験委員に読んで頂くことを考え、試験委員が読みやすい答案作成を心がけて下さい。

これではちょっと抽象的な表現なので具体的にどうすれば良いか判らないですね。

これから私が今年の本試験で試験委員に読んで頂くために工夫したことを紹介します。

理論:概要重視の答案作成

今年の本試験問題の問1は配偶者関係の応用理論で一部判断に迷う部分(本法、措置法の範囲)もありましたが比較的に容易に柱挙げできる問題でした。

だから、いきなり規定を書き始める受験生も多かったですが、これだと柱が分かり切っているとはいえ試験委員に対してちょっと不親切な答案に感じます。

復元答案にもありますが、私はまず概要として次のように書き出しました。

問1 

[1]概要

この場合には、配偶者に対する相続税額の軽減、贈与税の配偶者控除、特定贈与財産についての生前贈与加算の不適用、特定居住用宅地等の要件(小規模宅地等の特例)が考えられ、以下これについて説明します。

文末は「考えられる。」でも良いのですが、少しでも試験委員に読んで頂きたいという想いを込めて、「~について説明します。」という表現にしました。

これに関しては点数に関係ないでしょうが、この部分で試験委員が私の答案を読む気になってくれれば…答案に対してすこしでも好印象をもってくれればという想いを込めて書きました。

問2

(1)子Yと子Zの手続

[1]概要

申告期限までに被相続人Xの財産が未分割の状態であるため、未分割遺産に対する課税の規定により、相続人が相続分の割合に従って課税価格を計算して相続税の期限内申告書を提出しなければならない。

(2)子Yと子Zの分割後の手続

[1]概要

未分割遺産に対する課税の規定により未分割の状態で相続税の期限内申告を行っていた財産が平成21年6月に分割されたことにより、国内財産とそれに係る債務を取得した子Y(居住無制限納税義務者)は、未分割の状態で申告していた時よりも課税価格及び相続税額が増えることから修正申告書を提出することができる。

また、国外財産及びそれに係る債務を取得した子Z(制限納税義務者)は、その財産が課税財産に含まれず、債務も控除できないことから分割後子Zの課税価格はないこととなり更正の請求をすることができる。

実は、本試験で一番悩んだのが問2の概要でした。問2は課税価格の金額を記載すること以外は、事例理論としては比較的簡単な理論でしたが、手続の解答を要求しているので未分割(法55条)について規定として書くか、最初の説明文に含めるかここが一番の悩み処でした。

結論は概要として、未分割遺産がある場合の手続の流れを未分割時はYZ一緒に、分割後はYZ別々に記載することにしました。副産物として分割後に納税義務者の区分を踏まえて説明しなければならないことを考慮すると、問1で納税地についても触れておくと解答が引き締まる気がしたので、被相続人が日本国内に住所を有していた場合と日本国内に住所を有していなかった場合とに仮定して納税地の原則と特例の記載に至りました。

事例理論の場合は試験委員の問に対して、受験生は自分がどう捉えどう解答していくか説明しないと、試験委員に答案の真意が伝わりきらないと思います。事例理論は事例というストーリーに対して、ストーリー仕立てで解答して行くことをお薦めします。

計算:こちらは読んで頂くことを念頭にいれて解答していれば自然と見やすい答案になります。

2.問題文を良く読むこと(問題文を読んでいない)

これが一番やっかいです。

受験生としては基本中の基本で誰でも知っているよということですが、本試験では9割以上の受験生がこれをやらかします。

私が今年の本試験で冒したケアレスミスが実はコレでした。

過去記事を全部読んで頂ければ判りますが、何度も答練で「問題文を良く読むこと」と反省していながら最後まで無くなりませんでした。

計算はここで勝負が分かれます。

これさえ克服できれば計算では無敵の受験生となれます。

私がお伝えしたかったことはこれでお終いです。 

[end]

学習に関する記事はもう書かないと思いますが、ブログはまだまだ続きます。


コメント(2) 

コメント 2

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ミー

プリンスメロンさん、こんばんは。

最近の税法はどの科目も事例形式になってきていて
理論を完全に理解している事はもちろんのこと
顧客にきちんと説明できる能力も問われているように
感じますね。
このような試験に変わってきて大変ですが
この今の試験に受かる事ができれば
今後税理士として活躍するのにはプラスになりますよね。

私もなるべく顧客に説明するかのような解答を
心がけて試験に臨むように努力しました。
それでも、完璧には遠かったですけど・・・。

計算の問題をちゃんと読むことは
わかってはいるけど難しいですね。
私は最後まで計算が苦手でした。
by ミー (2009-12-22 00:19) 

プリンスメロン

ミーさん、こんばんは

事例形式の理論には幾度となく痛い目に遭ってきましたが、書き取りスピードが遅い私には有り難いことだった気もします。
試験委員は理解したことを表現する能力を問いたいのでしょう。
今だから言えるけど、今年の試験中は何故か余裕があり、理論も計算も試験委員にアピールすることを考えながら解答していました。
それでも一箇所だけ問題文を良く読んでいないところがあり、それも殆どの受験生が合わせてくるところでした。
これは焦れば焦るほど出てしまうミスなので、仕方ないといえば仕方ないのかも知れないですね。
そんな本試験での緊張感が好きでしたが、もうお別れなんですね。
明日はお別れ会(祝賀会)に参加してきます。

ではでは

by プリンスメロン (2009-12-22 20:09) 

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