相続税法を受験される方へ~追加版~ [相続税法]
以前、「相続税法を受験される方へ」と題して、前編後編に渡って私の学習方法などを紹介しましたが、発表前の不合格の可能性もあった状況であったため、お伝えしなかったことがありました。
あの記事を尻切れトンボで終わらせたくないので、ここでその部分を2つ書き足そうと思います。
1.答案は試験委員に対するプレゼン
これは専門学校などで良く指導していることで、試験委員に読んで頂くことを考え、試験委員が読みやすい答案作成を心がけて下さい。
これではちょっと抽象的な表現なので具体的にどうすれば良いか判らないですね。
これから私が今年の本試験で試験委員に読んで頂くために工夫したことを紹介します。
理論:概要重視の答案作成
今年の本試験問題の問1は配偶者関係の応用理論で一部判断に迷う部分(本法、措置法の範囲)もありましたが比較的に容易に柱挙げできる問題でした。
だから、いきなり規定を書き始める受験生も多かったですが、これだと柱が分かり切っているとはいえ試験委員に対してちょっと不親切な答案に感じます。
復元答案にもありますが、私はまず概要として次のように書き出しました。
問1
[1]概要
この場合には、配偶者に対する相続税額の軽減、贈与税の配偶者控除、特定贈与財産についての生前贈与加算の不適用、特定居住用宅地等の要件(小規模宅地等の特例)が考えられ、以下これについて説明します。
文末は「考えられる。」でも良いのですが、少しでも試験委員に読んで頂きたいという想いを込めて、「~について説明します。」という表現にしました。
これに関しては点数に関係ないでしょうが、この部分で試験委員が私の答案を読む気になってくれれば…答案に対してすこしでも好印象をもってくれればという想いを込めて書きました。
問2
(1)子Yと子Zの手続
[1]概要
申告期限までに被相続人Xの財産が未分割の状態であるため、未分割遺産に対する課税の規定により、相続人が相続分の割合に従って課税価格を計算して相続税の期限内申告書を提出しなければならない。
(2)子Yと子Zの分割後の手続
[1]概要
未分割遺産に対する課税の規定により未分割の状態で相続税の期限内申告を行っていた財産が平成21年6月に分割されたことにより、国内財産とそれに係る債務を取得した子Y(居住無制限納税義務者)は、未分割の状態で申告していた時よりも課税価格及び相続税額が増えることから修正申告書を提出することができる。
また、国外財産及びそれに係る債務を取得した子Z(制限納税義務者)は、その財産が課税財産に含まれず、債務も控除できないことから分割後子Zの課税価格はないこととなり更正の請求をすることができる。
実は、本試験で一番悩んだのが問2の概要でした。問2は課税価格の金額を記載すること以外は、事例理論としては比較的簡単な理論でしたが、手続の解答を要求しているので未分割(法55条)について規定として書くか、最初の説明文に含めるかここが一番の悩み処でした。
結論は概要として、未分割遺産がある場合の手続の流れを未分割時はYZ一緒に、分割後はYZ別々に記載することにしました。副産物として分割後に納税義務者の区分を踏まえて説明しなければならないことを考慮すると、問1で納税地についても触れておくと解答が引き締まる気がしたので、被相続人が日本国内に住所を有していた場合と日本国内に住所を有していなかった場合とに仮定して納税地の原則と特例の記載に至りました。
事例理論の場合は試験委員の問に対して、受験生は自分がどう捉えどう解答していくか説明しないと、試験委員に答案の真意が伝わりきらないと思います。事例理論は事例というストーリーに対して、ストーリー仕立てで解答して行くことをお薦めします。
計算:こちらは読んで頂くことを念頭にいれて解答していれば自然と見やすい答案になります。
2.問題文を良く読むこと(問題文を読んでいない)
これが一番やっかいです。
受験生としては基本中の基本で誰でも知っているよということですが、本試験では9割以上の受験生がこれをやらかします。
私が今年の本試験で冒したケアレスミスが実はコレでした。
過去記事を全部読んで頂ければ判りますが、何度も答練で「問題文を良く読むこと」と反省していながら最後まで無くなりませんでした。
計算はここで勝負が分かれます。
これさえ克服できれば計算では無敵の受験生となれます。
私がお伝えしたかったことはこれでお終いです。
学習に関する記事はもう書かないと思いますが、ブログはまだまだ続きます。
相続税法を受験される方へ~後編~ [相続税法]
前編からの続きで、今日は計算についてお話しします。
計算の学習方法
当然なのですが計算は反復練習あるのみです。
相続を何年も受験している私ですら個別問題・財産評価問題・総合問題のいずれについても最低3回は解いています。相続初年度なら個別問題を10回解いても良いくらいです。
総合問題は、問題を入手したらあらかじめ解き直し3回分のコピーをして、解答すべき順に本棚に積み上げていました。本棚に問題が無くなれば終了って感じです。
個別問題と財産評価問題は、TACならトレーニング → 直前対策テキスト、O原ならチェック問題 → 合格作戦と学習の進度に合わせて概ね網羅した問題を提供しているから、それを各々3回解き直します。
ただ、特殊な項目などは答練で1回紹介したきりとか、トレーニングやチェックでは紹介していたが直前対策テキストや合作には掲載していないものもあるので、そういった特殊な計算項目も定期的に解き直しできるように次のような工夫をしていました。
「計算パターン及び具体例」「過去に答練で出題された問題及び解答」をワード入力後B5版に印刷し、それを26穴のルーズリーフ式バインダーに綴じて常時持ち歩きいつでも演習できるようにし、上欄空白に演習日を記入することで演習の間隔を開けないように心掛けていました。
次に計算をどのくらいのレベルまで持って行けば良いかお話しします。
財産評価の難易度は年々そのレベルが着実に上がっています。例えば未出題項目や過去問での論点を複合させたり実務的なことを絡めたりする感じです。
今年は未出題論点(配当優先株)に過去問での論点が複数織り込まれていたうえ、意図的に問題文の指示が伏せられたりして判断に迷うところもありました。
このくらい難易度が高くても最終値まであと一歩という受験生さえいました。実際、私も完全子会社の評価でその子会社が中会社であることに気づかず小会社で評価してしまったこと、配当落ちの評価に気づかなかったことの2点さえクリアしていれば最終値が合っていたと思います。
このレベルの問題も来年は専門学校が対策を施してくるから、本試験で出題されたら出来る問題になってしまうでしょう。
で、試験委員はその上のレベルの出題をするという「イタチごっこ」が続きます。
このような状況から今後も多数の論点を複合させる形式の出題が充分考えられます。だから一つ一つの計算について計算パターンとして覚えるだけでなく、きちんと理解しておく必要があります。
イメージとして前年本試験の一つ上のレベルを目指すくらい頑張りましょう。
参考:取引所相場のない株式の評価の論点で私が出来るようにしていたもの
1.評価会社が自己株式を保有している場合
2.評価会社が社葬費用を負担している場合
3.評価会社が退職手当金等を支払った場合
4.営業権の評価
5.現物出資がある場合
6.相続税評価額に資産計上すべき借地権がある場合
7.法人税額等相当額の控除不適用株式がある場合(完全子会社がある場合)
8.未収保険金の資産計上
9.課税時期3年以内に取得した土地等がある場合
10.配当優先無議決権株式の評価
11.社債類似株式の評価
最後にもう一つ、一度でも講義で紹介したものは、例え講師が「覚えなくても良いですよ」みたいなことを言っても必ず出来るようにして下さい。また、TACで押さえて大原で押さえていない論点、若しくはその逆で大原で押さえてTACで押さえていない論点は、大手2校の片方が押さえている以上、本試験では出来なくてはいけないところになるから必ず出来るようにして下さい。
参考
TACで押さえて大原で押さえていないもの 無道路地
大原で押さえてTACで押さえていないもの 余剰容積率
結論:TACに通っている人なら大原の直前期の資料、大原に通っている人ならTACの直前期の資料を必ず取り寄せましょう。
本試験における計算問題の取り組み方
ここでも10月1日に発表された出題のポイントについて私の考えを話します。
出題のポイントで試験委員が「主なポイント」として9項目を列挙していますが、これを何処まで合わせるべきか考えてみましょう。
(1)二路線に面する宅地の評価方法を理解しているかどうか。
(2)セットバックを必要とする宅地の評価方法を理解しているかどうか。
(1)(2)は合わせる必要があります。
(3)建築中の建物の評価方法を理解しているかどうか。
これは問題文の表現や指示不足などを考えると合わせなくても良いと思われますが、考え過ぎてここで時間を取られる危険性がありました。
(4)複数の金融商品取引所に上場されている株式の評価方法を理解しているかどうか。
これは合わせる必要があります。
(5)取引所相場のない株式の評価で、種類株式を発行している場合及び他の取引所相場のない株式を有する場合の評価方法を理解しているかどうか。
配当優先無議決権株式と完全子会社について、そのいずれかが出来ていれば有利になると思われます。ただ難易度MAXの財産評価なので部分点が拾えなくても即アウトということはないと思います。ただ、拾っている者がいる以上ダメージは大きいです。
(6)小規模宅地等の特例の適用要件等を理解しているかどうか。
種類株の判定を理解していないと合わせられない所ですが、たぶん受験生の2割位は合わせている可能性があるので、正解を出しておきたいところです。
(7)みなし相続財産である生命保険金について理解しているかどうか。
措置法70条の非課税の論点が絡み、しかも重箱の隅をつつく様な問題であるため正解が出せなくても問題はありません。ただ、この論点は何となく出来ちゃった受験生も結構いるようです。
(8)生前贈与された財産の相続税の課税価格に加算される財産の範囲と贈与税額控除の控除対象を理解しているかどうか。
相続時精算課税適用財産の取扱いについて、贈与時での納税義務者の区分が示されていないことを考えると、この部分だけは正解が出せなくても問題はありません。ただ、(7)の論点と一緒でここも何となく出来ちゃった受験生が結構いるようです。
(9)債務・葬式費用について、控除対象者ごとの控除範囲を理解しているかどうか。
これは合わせる必要があります。
全体的には9項目のうち5項目で正解を出したうえで、残りの4項目でも部分点を拾いたいところです。また、9項目以外にも採点箇所があると思われますが、それも含めてケアレスミスを1~2つに止める必要があると思います。さすがに3つはアウトになると思われます。
私は(1)(2)(4)(6)(9)で正解し、(5)のうち類似業種比準価額の配当落ちの前まで合わせており、それ以外の箇所で1つケアレスミスをしています。
私はO原の解答速報が模範解答になると考えていますが、その配点で30点辺りが合否の分かれ目になるような気がします。
ただ、30点という点数は非上場株式の評価をパスした場合には、仮に小規模宅地等の判定を合わせた前提でもノーミス、若しくは(3)(7)(8)のうち1つ合わせてワンミスくらいでやっと取れる点数なので、そういう意味では取引所相場のない株式の評価をパスした人には厳しい点数になると思われます。
最後に計算過程欄の話しをします。計算過程については普段答練で解答しているレベルをフルパターンだとすれば、今年度の場合は取引所相場のない株式の評価以外はフルパターンで取引所相場のない株式の評価については部分点狙いということもあり私の復元答案レベルくらいの簡略でもOKだと思います。
総括
これは税法すべてに言えることですが、最初に問題を素読みして理論に充てる時間と計算に充てる時間を決めて下さい。
今年の本試験のように全ての受験生が理論・計算共にそこそこ点数が取れる問題では、「理論は良いけれど計算が‥」とか「計算は良いけれど理論が‥」みたいなバランスの悪い答案はアウトのような気がします。皆が取れているところを落とすと簡単には取り戻せないですから
理論では時間が来たら途中でも計算に進む勇気が、計算では細かく計算パターンを組めるけど端折ったり、ものよっては計算パターンを書かないという勇気も必要だと思います。
何しろ今年の本試験問題も例年同様120分ではきちんと解答している暇がありませんから
相続税法受験生は、そこら辺も長けているので合格レベルではかなりシビアな戦いになります。
それでも相続は楽しいよ♪
相続税法を受験される方へ~前編~ [相続税法]
10月も中旬になると寒いと感じることさえあり、今朝は布団からなかなか起き出せないでいました。
さて、今日は久しぶりに受験生らしい記事でも書いてみようという気になり
私が相続税法の受験で苦労した立場から、相続税法の学習方法についてお話しします。
科目の概要
相続税法の学習を始めたときの第一印象は、理論は覚えづらいが覚える題数も少なく法人・所得よりは楽かな、また、計算も財産評価や個別計算などあるけれど法人の個別問題の数に較べれば、こちらも比較的に取り組み易いかな程度でした。
それでも何年も受験を続けたことで相続税法受験生のレベルが異常に高いことに気づきました。
具体的なレベルの高さは後で述べるとして、少なくともレベルが高いと言われる法人と比較しても、相続税法受験生はもっと上のレベルにあると思います。
例えば、複数年受験生が1年間みっちり学習し講義時間と自習時間を併せて1,000時間を超えていたとしても、なかなか答練で上位20%をキープすることは出来ません。
また、本試験において計算のケアレスミスも3つは完全にアウトで、2つでも挽回するには他の所で完璧な解答でないと取り返すことが出来ません。(昨年、一昨年は、理論の難易度が高かったため例外)
そんな受験生レベルの高さを踏まえて、これ以後、相続税法ではどのような学習をしたら良いか理論・計算とに区別してお話しして行きます。
理論の学習方法
理論については、個別理論の暗記を1~2月中に定着させ、出来るだけ早いうちに応用・事例理論の対策を始める必要があります。専門学校が5~6月頃に対策講義を始めますが、それに併せて始めたのでは講義を聴くだけ(インプット)と、その後本試験までに講義のテキストを読むだけ(インプット)だけで終わってしまいます。
応用・事例理論対策としてのアウトプット作業は、O原なら上級模試、直前対策答練、裏答練だけ、Tなら基礎答練、応用答練、的中答練だけになり、その復習も本試験までに柱挙げの練習を数回するだけなってしまいます。
これでは応用・事例理論対策としてのアウトプット作業が全然足りないのです。
ではどうすべきか?
人によって合う方法、合わない方法があり一概にこうしたら良いとは言えないので、ここでは私の応用・事例理論対策を紹介することとします。
私の場合、何年もO原で受験しており理サブベースの理論は頭に入っていたから、1月からTAC上級クラスで受講するときも理マスでの暗記はせず理サブと理マスの違いを洗い出し、各々の弱いところを補完した個別理論を作った上でそれを簡略(短くする)するように努めました。
この作業は適当に短くするのではなく、間違った理論にならないように条文を調べたり、出来上がったものを何度も読み返したりした為、ここで各々の論点の理解が深まったと思います。
この簡略理論(ワード入力)をB5版で印刷、4つ折りにして持ち歩きます。個別理論はこの簡略理論を覚えてましたが、理論によっては問題の末尾に簡略前の理論を貼り付けたりして必要なら専門学校レベルに近いフルパターンの理論を書くことも出来るようにしていました。
応用理論(理ドク)は簡略理論を各々の柱に貼り付けます。
また、応用・事例理論の新しい切り口や答練で気になる切り口があればそれをワード入力して暗唱サイクルに加えたので、理ドクだと30題ですがそのうち3題パスしても結果的に応用事例理論の暗唱題数は56題となりました。
最後に応用・事例理論対策の仕上げ用として、4月頃から理論キーワード集(B5版4つ折りを2枚)で切り口ごとの柱挙げ練習を行っていました。数年前まで直前講義に使った応用理テキや理ドクの解答欄を伏せて、解答の柱挙げをする方法をアウトプット作業としていましたが、これを柱挙げに特化させたうえ、いつでもポケットに入れて持ち運べるようにしたものです。
以前は『アウトプット作業=筆記』と考え1日1題の書き取りを行っていた年もありましたが、昨年辺りから自分で個別理論を短縮や編集したり、応用・事例理論を作ることでアウトプット作業と同等の効果が得られると考えるようになりました。
ですから、今年は自宅で理論の書き取りみたいなことは全くしませんでした。
おまけ
理サブは理論のまとめ方が上手で覚えやすいけれど申告手続に関しては、その内容が薄く足りない部分もあり、その足りない部分を捕捉するために理マスを併用して学習すると良いです。
本試験における理論問題への取り組み方
ここで10月1日に出題のポイントが出たから、今年の問1の解答範囲についての私の考えを話します。
出題のポイントでは解答の柱が6つ、それに対して解答用紙が4枚あります。
TACの理ドク22問若しくは、O原の解答速報がベストアンサーと思われますが、そのまま書くと解答分量が3枚半以上になってしまいます。理論用紙1枚を10分で書ききれる人なら35分、12分掛かる人だと42分もの時間が問1に必要となってしまいます。
本試験では、これに問2と計算問題もあるので、問1に42分も掛ける訳には行きません。ここで理論を簡略する必要が出てくる訳ですが、センスの有る人なら即興で短くすることも出来るのでしょうが、普通の人がいきなり短くすることは却って時間が掛かってしまうことにもなり、普段から短くする練習又は、理論を簡略していない人は、せいぜいカッコ書きを省略する程度しか出来ません。
たぶん、カッコ書きしか省略せずフルパターンを書いた人は問1で高得点を稼げたでしょうが、問2に掛ける時間が足りなくなります。
少なくとも私は問2に30分掛けて解答したので、もし問1に35分掛けたとしたら、理論で65分も掛けたことになります。
そうすると残り55分で計算ということとなり、計算の時間が足りなくなってしまいます。
私の場合、1分位問題文を読んでから理論1時間、計算1時間と時間配分を決めて、普段計算を先に解いていたけれど、本試験では解答する時間が想像できない理論の問2から解くことにしました。
問2での解答時間が30分掛かったことから問1は30分で書き終える分量にしなければならず、理ドク問22問の省略パターン、かつ、手続と隠蔽仮装をパスして書き終えました。余談として残り時間4分で計算が終わったので、問1を追加で書いたりしています。
ここで言いたいのは、解答時間や解答分量について、フルパターンを書いたら何分、フルパターンでもカッコ書きをパスしたら何分、省略パターンで書いたら何分、省略パターンでもカッコ書きをパスしたら何分で書けるか把握して置くことも必要だということです。
また、一昨年の本試験問題のように訳の判らない出題では、全ての受験生が解答の柱を挙げきれないから、少しでも他の受験生よりも柱を挙げられるようにする為、理解を深め、その理解したものを実際に解答として表現できるような練習も必要です。自分で新しい切り口を考えて理論を作る作業などは、そういった練習になるかも知れません。
余談:理論について、まだ書き足りませんが力尽きました。
次回、後編は計算及び本試験での取り組み方を予定しています。
出題のポイント(H21) [相続税法]
今年も税理士試験出題のポイントが発表されました。
8月の解答速報で第1問(問1)の柱が専門学校によって微妙にまちまちだったものが、今回の出題のポイント発表によって明らかになりました。
これによって相続税法縛りと想定して解答速報を出したTACと、措置法まで含めて解答速報を出した大原との違いに決着が付きました。
結論:大原が正解
大原の解答速報を拠り所とする私としては願ってもない内容でした。
また、合格答案を考えると、問1では隠蔽仮装を書いていない受験生が多いから、6つの柱のうち隠蔽仮装か小規模のどちらか1つを落としたくらいなら問題ないかも知れません。
これで私の憂いが一つ消えた訳ですが、実際の合否は発表してみないと判らない状況は変わりません。
それでもちょっとだけ安心しました。
あとは発表を待つだけです。
解答解説会インちば [相続税法]
皆さん、こんちば
今日は解答解説会のお話しをします。
♪
昨日は試験後初めての休日でゆっくりしていたのですが、日曜日だと思っていた解答解説会(O原)が実は土曜日だったみたいであわてて行ってきました。
実は、解答解説会の時にいつも復元答案の理論採点をして貰っています。
そんな訳で今年も講師に採点お願いしちゃいました♪
おや、自己採点より良さげな点数じゃん!
また、納税地は解答の柱に挙がっていないけれど挙がっても良いはずと講師に話したら…
「加算点があるかも知れない」ということです。
また、O原で解答解説会の参加者全員を対象に本試験のアンケートを取っており、その中に解答順番と解答時間というのがありました。
順番 時間
第一問 問1 2 30分
問2 1 30分
第二問 3 60分
ここに書いてある順番と時間は本試験での私…
試験前に今年は計算から先に解きます宣言しておいて何ですが、理論を先に解いてしまいました。
だって、R社株式が難しそうに見えたし、理論は簡単そうで柱挙げの漏れはアウトっぽいし…
だから時間調整はR社株式の評価でやろうかなと考えると、どうしても理論が先になるでしょう。
これを読んでいる皆さんも同じじゃない?
また、最初に素読みした段階で理論の持ち時間を60分以内に設定し、問2の事例理論は時間調整のしようがないので先に解きました。
問2に30分も要したため問1の応用理論で申告要件と隠ぺい仮装はパス、未分割はカッコ書きを省略、特定贈与財産と特定居住用宅地等は省略バージョンで解答し終えました。(詳細は復元答案を参照してね)
結局いまだに本試験で計算から先に解いたことがないです。
以上、好印象だった昨日の解答解説会でのお話しでした。
TACの解答速報のことは忘れます。(^_^;)
今年のセレモニーもあと10月1日の出題のポイントと12月11日の発表のみとなりました。
今年度の学習の話しもこれで終わり皆さんもお疲れさまでした。
これより夏休みを満喫します。(^^)/~~~
解答速報って [相続税法]
今日は解答速報による自己採点を行いました。
会社で…
何しろ自分のブログに復元答案がいるもんで、どこでもパソコンさえあれば楽々自己採点が出来てしまいます。
最初はO原で自己採点して、おっこれなら勝負になるぞ!
それから暫くして2時過ぎにTも解答速報の配信が始まり、
早速、しこしこと自己採点…
げっ 何じゃこりゃ
大原
理論 計算 合計
ボーダー 33 25 58(改訂版ボーダー67)
合格確実 43 33 76
自己採点 38 32 70 → 改訂版ボーダー3点UP
(理論は復元答案を講師が採点)
TAC
ボーダー 36 30 66
合格確実 44 38 84
自己採点 37 32 69 → ボーダー3点UP
感想
O原での自己採点なら多分合格
TACでの自己採点なら多分A
両校とも理論ベタ書きが圧倒的に有利な状況で、私のような簡略している者にはつらい理論みたい。
理論でボーダーを下回らないようにして計算で勝負というパターンなんだけど、
Tの配点だとR社株式2点しか取れず、ボーダー2点UPという何ともお粗末な結果となりました。
そもそも原則評価か特例評価かの判定は真っ先に省略してるし、どっちに判定したかなんで計算パターン見れば判るでしょう。
あっ、愚痴になっちゃったよ。
ところで問2納税地に加算点くらい呉れないの…
それとR社株式と未収役員賞与がOとTとでは違うんですけど
ちなみにR社株式についてはCとも違う。
少なくとも2校は解答が違っているってこと、下手すると3校とも違う?
採点以前にどれを信じればいいのか
…
日曜にO原の解答解説会に行って質問しまくってきます。
♪
おまけ(お盆は暇なのでLECでも採点してみました。)
LEC
ボーダー 38 30 68
自己採点 38 37 75 → ボーダー7点UP あはっ理論ジャストボーダー
(注)大原ボーダーは改訂版に直しました。
お約束を守ります。 [相続税法]
昨日から今日にかけて復元答案を作成していました。
その復元答案作成中に以前ブログ上でお約束したことを思い出しました。
合格する自信があるときは復元答案を公開すると…
そんなわけで合格の確信をもっている訳ではないですが、今回は精一杯やった感があったので公開してみようと思います。
また、公開するなら各校の解答速報が出た後では信憑性がないので
今日、公開することにしました。
♪
雲を掴むような問題 [相続税法]
相続税法を受験してきました。
今年の問題の第一印象は、易しい問題かも…
解き進むにつれて、ちょっと難しい問題かも…
試験終了後には、すごい難しい問題だった。
こんな感じで何とも掴み所のない問題でした。
私も出来たような出来なかったような、解答解説まで予断を許さない状況です。
それでも今年は落ち着いて解けたので、ある程度は満足しています。
♪
ちょっとだけ試験問題に触れてみますネ。
第一問
問1は、配偶者に関する規定(一応応用理論)
問2は、未分割に関する分割前分割後の手続及び各人の課税価格(事例理論)
第二問
R社株式以外は非常に簡単に見える問題だけど、R社株式以外にも落とし穴の多い問題でした。
ちなみにR社株式は論点がてんこ盛りなので、その論点を列挙してみました。
配当優先無議決権株式であること
非上場株式の相続税の納税猶予の適用はありそうだけど適用なし。(持株権割合が50%のため)
宅地Mの小規模宅地等の減額は50%となる。(持株割合が50%のため)
子会社S社の評価の計算上、法人税額相当額(42%)は引かないで計算し、その評価額をR社の純資産価額の計算上、資産の相続税評価額に加算する。
ちなみに宅地Mの20%相当額、問題文に『S社株式以外の相続税評価額』と記載されているので織り込み済みと思われます。従ってR社の純資産価額の計算上、宅地Mの20%相当額は加算しない。
R社の退職功労金等は、純資産価額の計算上、負債に含まれていないので加算する。
中会社で持株割合が50%以下なので純資産価額に80/100を乗ずる。
その他にも純資産価額とR社の比準要素の資料が複数年ありました。
合ってないと思うけれど、一応私の出したBが取得したR社株式の価額は66,810,000円でした。
正直な所、R社については部分点狙いが正解ですね。
さっ、試験も終わったことだし今日はゆっくり寝られる。
じゃあ おやすみなさい zzz
ファイナル [相続税法]
今日はファイナルチェックを受けてきました。
久しぶりに理論付きの総合問題2問を解いたので、さすがに疲れました。
問題の中身はどちらもさほど難しいものではありませんでした。
ただ、理論を書かせ過ぎです。
2問合計で理論用紙10枚半書いてしまった。
さて、これで今年度の学習に関する記事はこれで終い
先日予告した通り、この記事をもって試験休みに入ります。
では、あと本試験まで11日!
皆さんの健闘を祈ってます_(._.)_
3直 [相続税法]
O原 第3回直前予想模擬試験(略して3直)
理論の問2で読み取り違いをして、全く違う柱を挙げてしまいました。
結局、O原では全4回通して全く良いところがありませんでした。
ここで良い成績が取れたなら、気分良く本試験を迎えられると考えていましたが
そんなに甘くはなかったです。
これでO原の聴講制度を利用した講義も終了
これから理論について目新しいことをするつもりは無いけれど、
少なくとも答練に出題された理論については、理論対策の柱挙げ練習のサイクルに加えて置きます。
自分の弱点は間違いなく『読み取り』
理論は問題を3回読み、計算で問題文の読み飛ばしを無くせば、おのずと結果が付いて来る筈
今一番大事なのは、やる気があること
ガンバ